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ベルナール・ド・ノナンクール会長とのお別れ


2010年11月1日(月)の夕方、シャンパンメゾン『ローラン・ペリエ』社の気配り名人ジャン・クリスチャンさんからメールが届きました。
とても悲しいお知らせでした。
大好きなアレクサンドラさんのお父様ベルナール・ド・ノナンクール会長逝去の報です。
2010年10月29日(金)没、享年90歳
ベルナール・ド・ノナンクール会長のご冥福をこころよりお祈り申しあげます。

1939年、ローラン・ペリエを買い取ったマダム・マリー・ルイーズ・ド・ノナンクールは第2次世界大戦中もメゾンの経営を 続けていましたが、この時点で、シャンパーニュ・メゾン100社のうち、98位というどん底状態でした。次男の ムッシュ・ベルナール・ド・ノナンクールは第2次世界大戦中レジスタンスとしてドイツ軍と戦った後、メゾン再建の意志 を固め、フランスに帰還します。独自のユニークな発想で存在感をアピールし、ローラン・ペリエをシャンパン業界第3位の シャンパン・ブランドに成長させます。現在同社はサロン、ドラモット、カステランヌを傘下におさめています。

プレスティージ・キュヴェ『グラン・シエクル』のネーミングに関して、ド・ノナンクール会長は計画中だった新シリーズの 高級シャンパンの名称について悩み、候補にあがった名前のリストをド・ゴール大統領に送る話が出てきます。大統領から すぐに届いた返信には「ド・ノナンクール君、もちろん偉大なる世紀(グラン・シエクル)だよ!」と書いてあったそうです。

ド・ノナンクール会長が愛娘アレクサンドラさんの結婚式のために造ったロゼ・シャンパンは 『キュヴェ・アレクサンドラ・ロゼ』として同メゾンのフラッグシップになっています。

大戦中の逸話は飛鳥新社刊『ワインと戦争(Wine & War)ヒトラーからワインを守った人々』、 ドン&ペティ・クラドストラップ著/松村潔訳に詳しく出ていますが、ド・ノナンクール会長は戦争中、ド・ゴール将軍の 演説に触発され、レジスタンスとして戦っていた軍曹で、1945年にはヒトラーが略奪したワインを隠していた 彼の山荘“鷹の巣”に踏み込む先陣役の命を受け遂行した功労者です。
冒頭のシーンを哀悼の意を込めて英文で記しておきます。



©Photo by Jean-Marie Curien
レジオンドヌール3等勲章受章
1939〜1945年(第2次世界大戦の)戦功十字賞受賞

キュヴェ・アレクサンドラ・ロゼ



Dear Alexandra-san:

I was saddened to hear that your father as the Great Champagne leader died last Friday and wish to extend my sympathy. Rest assured that your loss is all of Champagne's loss.

Sincerely,

Fumiko

   The steel door would not budge. French soldiers had used everything from lock picks to sledgehammers in an effort to open it. Nothing had worked. Now they decided to try explosives.

   The blast shook the mountain peak, sending rocks and debris cascading to the valley below. When the smoke and dust had cleared, the soldiers discovered the door was slightly ajar, just enough for Bernard de Nonancourt, a twenty-three-year-old army sergeant from Champagne, to squeeze through. What he saw left him speechless.

Source:『Wine & War』 Don & Petie KLADSTRUP

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